『呂色 roiro』という名前は、漆器の伝統技法で生まれる黒色(呂色)に由来します。
それは、職人の手仕事が何度も繰り返され、ようやく現れる、深く、静かな光。
丁寧な時間と、素材への探求心。その先に生まれる本質的な美しさを、私たちの菓子にも宿したい。
『呂色 roiro』という名に込めた、静かな誓いです。


1. モノづくりへの想い
私たちのモノづくりは、素材選びから始まります。
小川が流れる隣に位置するアトリエはフルーツや野菜が豊富な群馬の地にあります。時には、自らの足で生産者を訪ね、味わい、心震えるものを。惜しみなく贅沢に。
完熟したあんずは琥珀糖に。
香り高い熟成パルミジャーノ・レッジャーノは優しい米粉のクッキーに。
素材そのものが持つ力を信じて、余計なものは加えず、その声を聴き、最大限に引き出します。
その一口が、新しい対話のきっかけになるように。思考を巡らす好奇心と、心がほどける、安らぎの時間をもたらせますように。

2. クラフトへの真摯な姿勢
『呂色 roiro 』におけるクラフトマンシップは、目に見えない味わいの設計、目に見える形状のデザイン、そして実際に形作る手仕事にあります。
私たちは素材の香りや特性を学び、科学的に分析しながら、唯一無二の味わいを構築します。形状は3Dモデリングで、理想の食感や世界観を緻密にデザインします。
設計を形にするのは、すべて職人ひとりひとりの手作業です。素材の特性を理解し、抽出方法や工程を実験しながら、精密さと丁寧さをもって、一つひとつの菓子に魂を宿します。
こうした姿勢こそが、『呂色 roiro』のクラフトマンシップの核心です。

3. しなやかな創造性
私たちの創造は、あらゆる境界を軽やかに越えていきます。
- 映像の物語を紡ぐ構成力
- 空間に余白を生むデザインの思考
- 記憶に残る香りを設計する調香術
- 細部に緊張感を宿すグラフィックの美意識
和の恵みと、洋のひらめき。「美味しい」「美しい」という純粋な感覚を道しるべに。
既成概念にとらわれず、しなやかな視点で、まだ見ぬ創造の可能性を探し続けます。